２０２５．１２．４　題詠「壊」・鑑賞「捜す」

　　題詠「壊」
　　鑑賞「捜す」
　　出題者　ひさお

鑑賞「捜す」

　１．祖母の指す孟宗竹の色稚し今朝剥がれたる竹の皮捜す　　　ひらら

　２．捜し物ばかりしてゐる血眼に後光の差してマイナンバーカード現る　　ウプラ

　３．京響のチエリストKさん草津線の車中に探せし１９歳のわたし　　さらら

　４．ゴミとして出してしまったかも知れず朝から千遍捜す書類よ　　たかし

　５．徘徊の妻を捜すに初期のころスマホがつながりうまくゆきたり　　ひさお
　
　３番はお題と字が異なるが、そのままとした。

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ひさおさんへ
えっ、そうですか？うれしい。
たかしさんの「千遍」をちょっと拝借してしまいました

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捜すこと百遍を越える血眼に後光の差してマイナンバーカード現る
ウプラさんの推敲。
さすがです。

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ひららさんの批評の前に推敲のコメントを出してしまいました。
粗忽者でゴメンナサイ

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　１．祖母の指す孟宗竹の色稚し今朝剥がれたる竹の皮捜す　　　ひらら

　２．捜し物ばかりしてゐる血眼に後光の差してマイナンバーカード現る　　ウプラ
　捜しものばかりしているやうな日々、今日は「血眼に」なりマイナンバーカードを捜す、出てきたカードはまるで後光が差しているよう。
結びの字余りは「マイナンバーカード後光の差しぬ」

後光の差すマイナンバーカード現れし血眼に捜し物今日も



　３．京響のチエリストKさん草津線の車中に探せし１９歳のわたし　　さらら
　京響のチェリストのKさん、を、作者の最寄りの草津線の電車の全車輌全座席を探す19歳の少女。kさんは奏者として又音楽家として作者の憧れ人なのでしょう。

　４．ゴミとして出してしまったかも知れず朝から千遍捜す書類よ　　たかし
　大切な書類を捜し捜すが見つからずひょっとしてゴミに出したかと気になる。「千遍捜す」「ゴミに出してしまったかも知れず」作者のあれこれ千千の胸のうち。そうっと、書類はみつけられましたか？

　５．徘徊の妻を捜すに初期のころスマホがつながりうまくゆきたり　　ひさお
スマホ操作の出来る頃の奥様が一人外出され捜す作者。電話にでられたなか、逆探知されたのかスマホがつながり安堵された作者。「うまくゆきたり」にその時の喜びが受け取れる。

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ひさおさんのご指摘の通り、お題は「捜｣ではなく「捜す｣なので以下の通り推敲しました。
　　捜すこと百遍を越える血眼に後光の差してマイナンバーカード現る

たかしさんからのご提案「マイナカード｣もいいなと思います。もともとちょっとふざけた歌なのでこのままでもいけるとも思います。
まだよくわかりません(笑)　きっと二三日すると見えてくる。
ありがとうございました。

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１．祖母の指す孟宗竹の色稚し今朝剥がれたる竹の皮捜す　　　ひらら
日本の伝統の食文化には重宝な竹の皮　祖母さんとの思い出の作業。
　２．捜し物ばかりしてゐる血眼に後光の差してマイナンバーカード現る　　ウプラ
探し物は頭に血が上り呼吸も激しくなり体も硬直する　神頼みしつつ必死にさがす　やっと現れたマイナンバーカードは後光がさして見える。
　３．京響のチエリストKさん草津線の車中に探せし１９歳のわたし　　さらら

　４．ゴミとして出してしまったかも知れず朝から千遍捜す書類よ　　たかし
書類よのよは祈りのひびき　見つかるまでに緊張時間　ゴミに出し手しまったかもとぐるぐる負の事態を思う。
　５．徘徊の妻を捜すに初期のころスマホがつながりうまくゆきたり　　ひさお
共に暮らした連れ合いが日々自分から離れた遠い存在と変わりゆく愛しさ哀しさ　誰もが行く道老いはそこまできている。
　

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壊れると毀れるは違ふ攻撃に人間のやはらかな心毀れる

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鑑賞「捜す」
１．祖母の指す孟宗竹の色稚し今朝剥がれたる竹の皮捜す　　ひらら
　竹の皮を拾いに竹藪へ祖母と二人で入っている。
　竹の皮は昔はおにぎりを包んだり、いろいろな食品を包むのによく利用された。
　肉屋さんではすき焼きの肉を包むのは竹の皮だった。
　竹の皮は新しく生えてきた竹が脱いでゆくので、竹の子が出たあとの５月か６月ころに拾うのだろう。
　色の若い竹は今年生えた竹なので、それを探しているという。「稚（わか）し」と読むのだろう。上句と下句は順を逆にしてもいいのでないか。
〇剥がれたるばかりの竹の皮捜す祖母指す孟宗竹いろ稚し

２．捜し物ばかりしてゐる血眼に後光の差してマイナンバーカード現る　　ウプラ
　「血眼に・・後光の差して」が、捜し物が出てきたときの気持を非常によく表す。
　「マイナンバーカード」いかにも音数が多い。近頃は縮めて「マイナカード」と言っている人も多い。

３．京響のチエリストKさん草津線の車中に探せし１９歳のわたし　　さらら
　Ｋさんが「１９歳のわたし（作者）」を探していたのか、作者がＫさんを探していたのか。
　そして探し当てた歌に思える。
　「京響（京都交響楽団）のチェリスト」のＫさん
　「１９歳のわたし」
　・・・の、が重要な意味があるように詠われている。初恋の相手であろうか。

４．ゴミとして出してしまったかも知れず朝から千遍捜す書類よ　　たかし

５．徘徊の妻を捜すに初期のころスマホがつながりうまくゆきたり　　ひさお
　妻も自分のスマホを持っていてそれで応答が出来ていた頃。
しかしだんだんに、持っていても繋がらなくなったと思う。
　妻をなつかしく思い出している。

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１．祖母の指す孟宗竹の色稚し今朝剥がれたる竹の皮捜す　　　ひらら
昔、竹の皮は食材を包んで蒸し料理に使ったり、おむすびを包んで子供の遠足に持たせたり、用途は広かった。こういう体験をした人も少なくなっていて貴重だ。

　２．捜し物ばかりしてゐる血眼に後光の差してマイナンバーカード現る　　ウプラ

　３．京響のチエリストKさん草津線の車中に探せし１９歳のわたし　　さらら
若い頃のロマンスだろうか。
主語が「京響のチエリストKさん｣なのか「わたし｣なのかいささか判断に迷う。「探せし｣は「探しし｣としたい。

　４．ゴミとして出してしまったかも知れず朝から千遍捜す書類よ　　たかし
あるあるのシチュエーション。収集車はすでに行ってしまった。「千遍｣「よ｣に切実さが感じられ、それが可笑みを誘うあたりに作者らしさが匂う。

　５．徘徊の妻を捜すに初期のころスマホがつながりうまくゆきたり　　ひさお
つらくて不安な体験であったにちがいない。繋がったときにはどれほどホッとしたことだろう。「認知症｣が省かれているが「徘徊｣があるので無理なく理解できる。

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モーニングのパンとコーヒーで始動する愛用の器から壊れてしまう　　さらら

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詠草

　家倒壊道路崩壊家家の絆も壊れと村の長老　　　　ひらら

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お断り
明日の朝、９時頃までに新規スレッドが立ち上がっていないときは、昼頃になります。
チェリーを２ケ月ぶりに犬猫病院へ検診に連れて行きますので。
ウプラさんから生存の知らせがありほっとした。

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こんばんは
ひさおさん、コメントありがとうございました。
忘れてません（笑）
遅くなりますが提出しますのでよろしくお願いします
貧乏暇無しす。

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ぶち壊しにならないように言葉には気をつけているあれからずっと　　たかし
ウプラさんにはラインしておきました。既読になるかどうかは分からんけど
いま、返信きました。忘れていませんと・・

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今週のお題
　　　　　じんわり

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