
2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/24(Fri) 09:38 |
| 投稿者 |
: ひさお |
| 参照先 |
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2025.10.30(木) 題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
題詠「捜す」
鑑賞「下駄」
出題者 たかしさん
鑑賞「下駄」
1.雪道を父つくりたる下駄履きて通学せしはしんどかりしよ ひさお
2.カラコロと背に下駄の音近づきぬ目隠しするは誰の掌 ひらら
3.下駄の歯のごとき前歯でにこにこと微毒吐きたる叔母懐かしき ウプラ
4.下駄ばきで授業を受けし森田君名門校出て放送局の幹部 さらら
5.高下駄を履いていたなあ早逝のわが良き友の禎一も幸司も たかし

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/31(Fri) 13:15 |
| 投稿者 |
: ひさお |
| 参照先 |
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雪道を父つくりたる下駄履きて通学せしはしんどかりしよ
ご批評ありがとうございました。
感情だけが露わになってしまったので、ご指摘の通りよくないことをしたと思っています。
ウプラさんには丁寧な改作をしていただき、お手数をおかけしました。
ただ、私の小学生の時の通学路は大部分が国道1号線の歩道であったので野道とするにはあまりにもかけ離れている。当時は馬の引く荷馬車もよく見ました。木炭車も走っていたようにうっすら記憶しています。
父はたかしさんのように鋸を目立てしたり、藁草履を編んだり大変器用でした。下駄の鼻緒は買ったものを使っていたように記憶していますが、ぼんやりしています。
ウプラさんの改作をベースに次のようにしました。
通学に父の手製の下駄を履き雪積もりし日は泣きたかりしよ

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/31(Fri) 07:33 |
| 投稿者 |
: たかし |
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5.高下駄を履いていたなあ早逝のわが良き友の禎一も幸司も たかし
みなさん批評ありがとうございました。
自歌自注します・・学生時代ではなくて、二人共、社会人になってからの友だちでした。
幸司は自衛隊の同期入隊の高知の男で、わたしと二人で休みの日に大阪へ遊びに行き(部隊は香川県の善通寺)、パチンコで思わぬ大勝ちして帰営時間に遅刻して懲罰をくらった仲。その後彼は大阪で料理屋の娘に見染められ?
婿入りして(男前だった)板前になっていて、訪ねて行った私に高下駄を履いて料理を作ってくれた。
禎一は京都に昔、染織学園という学校があった時の同級生、共に織物を学んで、気があっていた。
家に遊びにゆくといつも高下駄を履いて出てきた。
長男が心臓手術をするとき後輩の美大の学生仲間に呼びかけて献血をしてくれた。
良き男らは早逝し、わたしのような良くない奴が長く生きている

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」

Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/31(Fri) 03:04 |
| 投稿者 |
: ウプラ |
| 参照先 |
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捜し物ばかりしてゐる血眼に後光の差してマイナンバーカード現る

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/31(Fri) 01:24 |
| 投稿者 |
: ウプラ |
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1.雪道を父つくりたる下駄履きて通学せしはしんどかりしよ ひさお
「しんどかりしよ」にはたくさんの理由が詰まっているが、子供の感情としては泣きたかったのではないだろうか。
※通学に父の手製の下駄履きて雪の野道は泣きたかりしよ
2.カラコロと背に下駄の音近づきぬ目隠しするは誰の掌 ひらら
「背に」であるところに微妙な高まりのある恋の歌。歌にはどこかに「今」が欲しいので過去にしてみた。
※カラコロと背に下駄の音の近づいて目隠しをした 誰の掌
3.下駄の歯のごとき前歯でにこにこと微毒吐きたる叔母懐かしき ウプラ
4.下駄ばきで授業を受けし森田君名門校出て放送局の幹部 さらら
「下駄ばきで授業を受けし」は、貧しかったか偏屈だったか、イマイチ事情がわからなかった。下句の内容は一つにしたい。
※下駄ばきで授業を受けし森田君放送局の幹部になりき
5.高下駄を履いていたなあ早逝のわが良き友の禎一も幸司も たかし
時代を感じさせる「高下駄」、「履いていたなあ」の実感、調べ、結句の字余りが亡くなった友人一人一人を大切に扱っているようで良い歌と思う。

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/30(Thu) 22:35 |
| 投稿者 |
: さらら |
| 参照先 |
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1.雪道を父つくりたる下駄履きて通学せしはしんどかりしよ ひさお
戦後の小学生のころは履物 足袋は親の手づくり つつましい生活だった。親も子供も辛苦に負けず頑張った。
2.カラコロと背に下駄の音近づきぬ目隠しするは誰の掌 ひらら
相聞歌 青春の恋の芽生え みめぐりに聞こえ来る下駄の音に胸も熱くなる。
3.下駄の歯のごとき前歯でにこにこと微毒吐きたる叔母懐かしき ウプラ
叔母様のお人柄 素のまま自然体のおおらかさが懐かしい。
4.下駄ばきで授業を受けし森田君名門校出て放送局の幹部 さらら
5.高下駄を履いていたなあ早逝のわが良き友の禎一も幸司も たかし
若くで逝去してしまったふたりの友達 いつも高下駄をはいていたのを回顧している。

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/30(Thu) 22:15 |
| 投稿者 |
: さらら |
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京響のチエリストKさん草津線の車中に探せし19歳のわたし さらら

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/30(Thu) 18:37 |
| 投稿者 |
: たかし |
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鑑賞「下駄」
1.雪道を父つくりたる下駄履きて通学せしはしんどかりしよ ひさお
「父つくりたる」お父さんは大工さんであったのか。
それとも手先が器用で進んで子供の下駄などを作られたのであろうか。
父の手作りは嬉しいけれども、雪道は下駄では歩きにくいと思う。私も下駄履いて雪道を歩いた経験ありますが、下駄の歯に雪が挟まるし、下駄と足の間で雪が溶けて滑るし・・・
結句「しんどかりしよ」で結ばれているが、この「しんどかりしよ」は、そこまでの「雪道を・・父つくりたる下駄履きて・・通学・・」というこの歌の特殊で独特の情景を一挙に壊してしまった感。
道の距離とか、具体的に足や下駄や、鼻緒や、そして雪とか、その状態を言ったらどうかなと思いましたが。
2.カラコロと背に下駄の音近づきぬ目隠しするは誰の掌 ひらら
子どもとの遊びの時間のようだ。
上句も可愛い感じであり、下句も「誰の掌」と問う感じで幼い子供に言う感じ。
下句の方は少し変えたいように思った。
3.下駄の歯のごとき前歯でにこにこと微毒吐きたる叔母懐かしき ウプラ
前歯の大きい人であった。その叔母はちょっと毒のあること、その人が嫌がるようなことを言う癖があった。
これが特定の人だけに言うのであれば、嫌なタイプの人間であり「懐かしき」とはならないだろう。
多分、この叔母さまは誰に対しても平等に、ちょっと毒を含んだ、その人が嫌がるようなことを少し言うのである。
これは個性であり、それだけでも特徴があるのに、その上に前歯が下駄の歯のようであると。
こういう際立つ個性の持ち主はその人が亡くなってからも(故人と思う)懐かしく思い出されるもの。
「微毒吐きたる」がうまい。
4.下駄ばきで授業を受けし森田君名門校出て放送局の幹部 さらら
学生時代から自分流を実践していた森田君は、名門校を出て、放送局の幹部になった。
それを聞いたとき作者は「やはり彼は・・・」と思ったことなのだろう。
下駄という履物は、江戸時代ならともかく、現代では意識してことさらに自分を際立たせたくて履くのではあるまいか。
この森田君はそうした流儀で成功した一人のように思える。
5.高下駄を履いていたなあ早逝のわが良き友の禎一も幸司も たかし

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/30(Thu) 16:25 |
| 投稿者 |
: ひらら |
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詠草
〇祖母の指す孟宗竹の色稚し今朝剥がれたる竹の皮捜す ひらら

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/30(Thu) 14:17 |
| 投稿者 |
: たかし |
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出題「壊」・・・壊す、壊せる、決壊・・・どう読ませても可

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/30(Thu) 14:13 |
| 投稿者 |
: たかし |
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ゴミとして出してしまったかも知れず朝から千遍捜す書類は たかし

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/30(Thu) 13:11 |
| 投稿者 |
: ひさお |
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徘徊の妻を捜すに初期のころスマホがつながりうまくゆきたり ひさお

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/30(Thu) 13:07 |
| 投稿者 |
: ひさお |
| 参照先 |
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1.雪道を父つくりたる下駄履きて通学せしはしんどかりしよ ひさお
2.カラコロと背に下駄の音近づきぬ目隠しするは誰の掌 ひらら
「カラコロ」が気持ちよく響く。こども時代の思い出であろう。
3.下駄の歯のごとき前歯でにこにこと微毒吐きたる叔母懐かしき ウプラ
にこにこしながら軽い毒舌を吐いた叔母。前歯は大きな丈夫な歯であたかも下駄の歯のようだった。懐かしい人だ。
「下駄の歯のごとき前歯」には驚かされた。
4.下駄ばきで授業を受けし森田君名門校出て放送局の幹部 さらら
森田君とは中学生時代の同級生であったと思われる。そのころ彼は下駄ばきであった。その後彼は名門校を卒業し放送局の幹部になられた。下駄ばきの人は少なかったので、森田君のことが印象に残っている。
5.高下駄を履いていたなあ早逝のわが良き友の禎一も幸司も たかし
ばんから風の高下駄を履いていたのは高校時代であろうか。2人の友人を名前で表示していてかなり親しかったことを伺わせる。

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Re: 2025.10.30(木)題詠「捜す」・鑑賞「下駄」
| 投稿日 |
: 2025/10/30(Thu) 13:06 |
| 投稿者 |
: ひさお |
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題詠はWEB歌会のある11月は全休となります。
次回は12月4日(木)です。

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