
2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/05(Fri) 09:54 |
投稿者 |
: ひさお |
参照先 |
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2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
題詠「雫(しずく)」
鑑賞「黄金」
出題者 ウプラさん
鑑賞「黄金」
1.ブータンは黄金の里桃源郷民族衣装の束髪の農婦 さらら
2.エンピツにて少年われが描きし地図に確かに黄金郷はありたり たかし
3.草花やあじさいの葉を食ひ散らす黄金虫奴を敵と思へり ひさお
4.そっと触りひっくりかえる黄金虫死んでないよと小声のおさな ひらら
5.黄金の光の波の駆け抜けてショパンの船歌があふれる ウプラ

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Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」

Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/11(Thu) 21:05 |
投稿者 |
: ひさお |
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ウプラさん。今週の 題 も忘れずにお願いします。

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Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/11(Thu) 20:52 |
投稿者 |
: ウプラ |
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「とても地獄は」とて親鸞が雫する青き越後の山を駆けゆく

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Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/11(Thu) 18:30 |
投稿者 |
: ウプラ |
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1.ブータンは黄金の里桃源郷民族衣装の束髪の農婦 さらら
作者がブータンのことを「黄金の里桃源郷」だと感じたことは書かれているが、読者としては、そう感じさせたもの、「農婦」から受けた幸福感なり、なんらかの豊かさが知りたいと思う。
2.エンピツにて少年われが描きし地図に確かに黄金郷はありたり たかし
少年の描いた夢の地図。その地図には少年の想念が創り出した「黄金郷をめぐる物語」が自由に繰り広げられていたのかもしれない。筆者にはそれを描いているときの〈夢中な熱〉自体が作者の心のエルドラド、黄金郷にも思える。今もありありと残っているのなら「描きたる地図に(の)黄金郷は残れり」なども考えられる。
3.草花やあじさいの葉を食ひ散らす黄金虫奴を敵と思へり ひさお
黄金虫への敵意にどことなく愛も感じさせて、「黄金虫奴」の「奴」が絶妙。
並列助詞「や」で繋げられているので「草花」はあじさいと同じく何か植物の個体名がいいと思う。
4.そっと触りひっくりかえる黄金虫死んでないよと小声のおさな ひらら
「ひっくりかえる」が黄金虫の様子を即物的に伝えて生き生きしている。「おさな」を主体に考えてみた。
そっと触れひっくりかえす黄金虫おさな小声に「死んでいないよ」
5.黄金の光の波の駆け抜けてショパンの船歌があふれる ウプラ

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Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/11(Thu) 18:11 |
投稿者 |
: たかし |
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鑑賞「黄金」
1.ブータンは黄金の里桃源郷民族衣装の束髪の農婦 さらら
ブータンは国民の幸福度一位の国に選ばれたことがある。1970年代のこと、国民の満足度(幸福度)は昔は飛びぬけて世界一位であった。しかし近年スマホなどで世界の情報が行き渡る時代になって、国民の意識も変化し、今は幸福度ランキングには入っていないという。(因みに日本の幸福度は世界54位、1位はフィンランド)
ただ、農業が主産業の国なので、収穫期の黄金に輝く稲田の光景や独自の民族衣装などから、訪れたことのある作者のイメージは「黄金の里」であり「桃源郷」であったのだろう。人々のゆったりとした暮らし方は、昔の日本の農村の暮しのようで、それも好ましく懐かしく、桃源郷に思えたのだと思う。
2.エンピツにて少年われが描きし地図に確かに黄金郷はありたり たかし
3.草花やあじさいの葉を食ひ散らす黄金虫奴を敵と思へり ひさお
「黄金虫奴」は「コガネムシメ」である。
小さくて丸くて艶やかで愛らしい黄金虫であるが、大量発生すると、庭の花や木の葉を食い散らす害虫となる。「敵」になるのである。
共存するには適度な「数」である必要があることをこの歌は教えている。
4.そっと触りひっくりかえる黄金虫死んでないよと小声のおさな ひらら
この歌も黄金虫の歌。幼い子が(孫か)触ったらひっくり返った。
じっと見ていた幼子が「死んでないよ」と言った。小声で言ったと。
「小声」が幼い子の様子をよく現わしていて良い。
5.黄金の光の波の駆け抜けてショパンの船歌があふれる ウプラ
作者が好きな曲だと思う。
「黄金の光の波の駆け抜けて」がその曲を聞いているときの至福感であり、またその曲の或る部分の旋律を言葉に置き換えて表現したものであろう。
私はユーチューブで聴いてみた。長富彩、辻井伸行、横山幸夫、3人のピアニストの舟歌を聴いた。ショパンの唯一の舟歌であるという。
どの人のも美しく聞こえる。或る部分のコロコロコロと転がるように高音が繰り返されるところは波のきらめきのように感じられる。
結句、1音不足しているのが気になる。1音多いのは気にならないが・・

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Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/11(Thu) 17:58 |
投稿者 |
: さらら |
参照先 |
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スリランカの洞窟のホテルに宿泊す部屋に通ずる岩間の雫 さらら

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Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/11(Thu) 17:53 |
投稿者 |
: ひらら |
参照先 |
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詠草
水源の一雫の水君の手に片手預けて手の窪に受く ひらら

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Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/11(Thu) 17:45 |
投稿者 |
: さらら |
参照先 |
: |
さん
鑑賞「黄金」
1.ブータンは黄金の里桃源郷民族衣装の束髪の農婦 さらら
2.エンピツにて少年われが描きし地図に確かに黄金郷はありたり たかし
えんぴつ書きで器用な作者はオリジナルの地図を描かれたことを懐古している
3.草花やあじさいの葉を食ひ散らす黄金虫奴を敵と思へり ひさお
大切な花々の葉を喰い散らす黄金虫は憎い敵と思っている
4.そっと触りひっくりかえる黄金虫死んでないよと小声のおさな ひらら
幼い子供は虫が最高の遊び仲間 ひっくり返して生きているのを確認して喜ぶ
5.黄金の光の波の駆け抜けてショパンの船歌があふれる ウプラ
夕暮れ前の空も海もなべて黄金に染まる 波に水尾を引き駆け抜ける時ショパンの船唄が高らかに聞こえる

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Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/11(Thu) 17:14 |
投稿者 |
: たかし |
参照先 |
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ポツンポツン岩を穿てる雨雫に比すれば八十年は一瞬 たかし

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Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/11(Thu) 13:14 |
投稿者 |
: ひさお |
参照先 |
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あをき芝あをぞらの下雫石小岩井牧場のジンギスカン鍋 ひさお

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Re: 2025.9.11(木)題詠「雫(しずく)」・鑑賞「黄金」
投稿日 |
: 2025/09/11(Thu) 13:10 |
投稿者 |
: ひさお |
参照先 |
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1.ブータンは黄金の里桃源郷民族衣装の束髪の農婦 さらら
ブータンに何度か行かれている作者だからこそできる短歌だ。民族衣装には多くの黄金の飾りがつけられているようだ。束髪し、民族衣装を身に着けた女性は実作業をするのだろうか。お祭りのときだけ身に着ける衣装なのだろうか。
2.エンピツにて少年われが描きし地図に確かに黄金郷はありたり たかし
作者は少年のころから4Bか5Bの鉛筆で絵画や地図をよく書いておられたのだろう。あるとき描いた地図には黄金郷も書き込んだ。理想の国を想定したのであろうか。
3.草花やあじさいの葉を食ひ散らす黄金虫奴を敵と思へり ひさお
4.そっと触りひっくりかえる黄金虫死んでないよと小声のおさな ひらら
死んだようにじっとしている黄金虫を幼子がひっくり返したところ、足を動かしたのであろう。それで生きていることが分かって喜んでいるのだ。
「そっと触り」という表現に生き物へのやさしさが感じられる。
5.黄金の光の波の駆け抜けてショパンの船歌があふれる ウプラ
ショパン作曲の舟歌のピアノ演奏会でのシーンであろうか。演奏の始まる直前、黄金の光の投射があり、雰囲気を盛り上げて演奏が始まった。
演奏者にもかなり難度の高い舟歌が、堂々と演奏される。そのことを「あふれる」と表現した。

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