２０２５．９．４（木）題詠「黄金」・鑑賞「手前」

　題詠「黄金」
　鑑賞「手前」
　出題者　ひららさん

鑑賞「手前」
　１．きうきうと鳴くまで氷で冷やしたる素麺　手前に金の金麦　　ウプラ

　２．音大の受験の手前に結婚し子育てに追われ夢は叶わず　　　さらら

　３．体力の限界・熱中症手前・目印いくつもある猛暑の身　　たかし

　４．交渉がまとまりたれば手前味噌をこれ見よがしに並べ捲し立つ　　ひさお

　５．小さな手前にせまりぬせっせっせ歌う乙葉がせっせっせせがむ　　ひらら

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たかしさん。さららさんの詠草を追加していただきありがとうございます。

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ひさおさん、さららさんの詠草、挿入しました

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ブータンは黄金の里桃源郷民族衣装の束髪の農婦　　　　さらら



この短歌にお願いします。お世話になりありがとうございます

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ブータンは昭和はじめの田園風光に民族衣装の束髪の農婦　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　さらら

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こちらでお願いします


黄金の光の波の駆け抜けてショパンの船歌があふれる

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黄金の光の波のピアノ曲ショパンの船歌があふれる

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１．きうきうと鳴くまで氷で冷やしたる素麺　手前に金の金麦　　ウプラ

　２．音大の受験の手前に結婚し子育てに追われ夢は叶わず　　　さらら
事実だけをさらっと詠い、さらっとした感触の歌になっている。四句と結句を入れ替えればもう少し悔しさが出るだろうが、そうするとこの歌の何かよいものが失われる気がする。「夢は叶わず」といいながらそんなに残念そうでもないところに、何かしら物足りないことの美点があるのだろう。

　３．体力の限界・熱中症手前・目印いくつもある猛暑の身　　たかし
熱中症になってしまう直前の身体にはいくつも徴候がある。頭痛、嘔吐感、目まい、息切れ等々。
「猛暑の身」は生身の人間の身体が喘いでいるようで実感が迫る。「目印」でモンダイないが、「徴(しるし)」も考えられる。二つ目のナカグロ(並列)は読点がベターか。


４．交渉がまとまりたれば手前味噌をこれ見よがしに並べ捲し立つ　　ひさお
これは米国との貿易関税交渉のことだろうか。
まとまって良かったのか悪かったのかわからぬような具合になってしまったがその後どうなったのだろう。下句に不愉快な心理が如実。一連の経緯そのものが不愉快な上にさらに不愉快が上塗りされて、苛立ちも上塗りされているとみた。

　５．小さな手前にせまりぬせっせっせ歌う乙葉がせっせっせせがむ　　ひらら
「小さな手」が愛らしい。うまくお題を分割するなあ、と感心。正確には「せっせっせせがむ」なのだが、「せっせっせがむ」と１字省いて遊んでも文句は出ないと思う。

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鑑賞「手前」
　１．きうきうと鳴くまで氷で冷やしたる素麺　手前に金の金麦　　ウプラ
　「きうきう」素麺を冷水で洗っている音か？
なんとなくそんな感じである。よく洗うほど美味しいと言う。
「金の金麦」はビールだと私も分かる。どちらも冷えていてお腹が冷たくなりそうだが猛暑の今年はこれもいいか。

　２．音大の受験の手前に結婚し子育てに追われ夢は叶わず　　さらら
　ということは作者の夢は声楽家とか音楽に関わる仕事へ進みたかったのだろう。
作者が音大に進んでいたら・・・と想像した。
今は曽孫にも恵まれた作者だ。どっちがよかったか難しい。

　３．体力の限界・熱中症手前・目印いくつもある猛暑の身　　たかし

　４．交渉がまとまりたれば手前味噌をこれ見よがしに並べ捲し立つ　　ひさお
　米国のトランプ大統領を歌う。
自分で勝手に設定した各国への関税の交渉。日本もそれで大迷惑。
「手前味噌」という言葉には謙虚さも含まれているのだが、トランプには謙虚さはほとんど見られない。

　５．小さな手前にせまりぬせっせっせ歌う乙葉がせっせっせせがむ　　ひらら
　「小さな手」と「前に」を組み合わせて「手前」としたのは上手い。
　「せっせっせ」は一度で済む工夫もあった。「歌う乙葉がまつわりせがむ」とか。

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鑑賞「手前」
　１．きうきうと鳴くまで氷で冷やしたる素麺　手前に金の金麦　　ウプラ
素麺をは茹で上げて冷たい水(上水道水に氷を入れる。井戸水は冷たかった)でぬめりをとれまで揉み洗いする。この手間を「きうきう鳴くまで」と詠みさらに氷で冷やした素麺。それにもう「金の金麦」がよく冷やされてそろっている。「き」の音の繰り返しが、涼しく冷たそうに合う。素麺もビールもおいしいだろう。私、ビールの短歌を詠みたい。のみたい。
　２．音大の受験の手前に結婚し子育てに追われ夢は叶わず　　　さらら
好日の歌姫のさららさん。音大へ、宝塚へのお話は甲賀の方から聞いた。早く結婚され子宝に恵まれ、曾孫に恵まれ若い曾祖母さん。並のひとより人生が豊富である。歌への夢は叶わずとふと寂しく思われるであろうか。

　３．体力の限界・熱中症手前・目印いくつもある猛暑の身　　たかし
今夏の猛暑、農作業その他外仕事の多い作者。熱中症手前の気づきを度々感じられた。　わが子からも熱中症は防げるとうるさくいわれた。た手前で気づき止める賢明な作者。

　４．交渉がまとまりたれば手前味噌をこれ見よがしに並べ捲し立つ　　ひさお
現役会社員時代のことかしら。いや地元会や、PTでもこのような方いたな。わが感想や嫌味を詠まずさらっと客観視詠まれている。作者の人柄が歌にあらわれている。

　５．小さな手前にせまりぬせっせっせ歌う乙葉がせっせっせせがむ　　ひらら

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お題

　　雫(しずく)

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エンピツにて少年われが描きし地図に確かに黄金郷はありたり　　たかし

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詠草

そっと触りひっくりかえる黄金虫死んでないよと小声のおさな ひらら

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草花やあじさいの葉を食ひ散らす黄金虫奴を敵と思へり　　ひさお

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１．きうきうと鳴くまで氷で冷やしたる素麺　手前に金の金麦　　ウプラ
　暑い暑い日中、蕎麦屋でよく冷やされた素麺を食べようとしている。目の前にはこれもよく冷やされた「金麦」が用意されている。「きうきうと鳴くまで」は冷やしの究極状態を表現できている。「金の金麦」の「金の」は最高に飲みたいという気持ちが出ている表現だと思う。

２．音大の受験の手前に結婚し子育てに追われ夢は叶わず　　　さらら
　作者は音大を受験したいと思っていた。しかし種種の状況から受験の前に結婚することになった。事実を述べているが、残念・無念な気持ちが出ているように思う。

３．体力の限界・熱中症手前・目印いくつもある猛暑の身　　たかし
　これまで経験したことのない猛烈な暑さ。その中で作者は作業をすることがある。その時　　
　は種々の目印によって破綻を防いでいるという。誰もが熱中症にならないように気を付けねばならない。

４．交渉がまとまりたれば手前味噌をこれ見よがしに並べ捲し立つ　　ひさお

５．小さな手前にせまりぬせっせっせ歌う乙葉がせっせっせせがむ　　ひらら
　手前を「手」と「前」に分けるという工夫をした。この「前」は本来「わが前」とでも言いたいところなので、やや頼りなく感じる。

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ひさおさん、了解しました。
いつもありがとうございます

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